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最優秀賞は大阪府の小学6年生、岩野新さん

 

それでは、「embotアイデアコンテスト2022」の受賞作品と、素晴らしい作品を作り出した作者の皆さんをご紹介していきましょう。

 

最優秀賞「ボーリング」

岩野新さん(大阪府、6年生)

副賞:アイデアコンテストオリジナル 金ピカembot

最優秀賞の岩野新さんと、作品「ボーリング」。

ペットボトルとダンボールの橋をわたって、ペットボトルキャップの中にボールが落ちてきます。ここにサーボと連動した磁石が下りてきて、ボールを持ち上げます。

最優秀賞の「ボーリング」は、ミニチュアのボーリングのピンとボールを使って楽しむゲームです。ロボットがボールを投げ、ボーリングのピンが倒れると、「成功」または「残念」とゲーム結果を教えてくれるほか、実際のボーリング場のように投げたボールが戻ってくるなど、ボーリングを楽しく遊べる工夫が凝らされています。

岩野さんが特に注力したのは、「特定のピンの下に照度センサーを使い、ピンが倒れることで成功か失敗かの判定を行っている点」です。また、ペットボトルやダンボールなどの身近な材料を使って滑車や橋をつくり、下に落ちたポールを滑車と磁石で持ち上げるつくりになっています。

 

滞在先のホテルでもずっとプレゼンの練習をしていたという岩野さん。実は、当日の朝に、発表用のスマートフォンを落として音が出なくなったというアクシデントがあったにも関わらず、堂々としたプレゼンを行い、見事最優秀賞を受賞しました。

審査員長を務めたe-Craft代表取締役CEOの額田一利は、「実際のボーリングをヒントにした『アイデア』も素晴らしいし、『工作力』『表現力』という練度からも、まさに『アイデアコンテスト』を体現した作品になっていた。自分で楽しみたいという気持ちも伝わってきて、embotを生かした作品」と、岩野さんを高く評価しました。

ボーリングのプログラム。

受賞後のコメント

「すごくうれしいという気持ちと、ほっと安心した気持ち、取材で緊張するという、色々な気持ちがあります。昨年、優勝をあと一歩で逃したのが悔しくて、『次こそは』という思いで一生懸命作りました。
初めの頃はUFOキャッチャーやレースゲームなども考えていましたが、最終的にボーリングになりました。作り始めはボーリングのピンを自動で並べるように頑張っていましたが、すごく考えたけれど無理だと思い、代わりに照度センサーを付けたり、ボールを滑車で下から持ち上げたりする工夫を入れて、今の形になりました。

中学生になったら、好きな陸上をやりつつ、プログラミングも続けていきたいです。将来は、任天堂に入ってゲームを作るのが夢です」

SDGsや“withコロナ”を意識した「タカラトミー賞」と「e-Craft賞」

 

「タカラトミー賞」「e-Craft賞」には、それぞれ以下の作品が選ばれました。

 

タカラトミー賞「表情練習ロボット」

神山翔さん(岐阜県、5年生)

副賞:タカラトミー玩具 1万5000円分

初挑戦でタカラトミー賞を受賞した神山さんは、夏休みにも工作を楽しんでいたほどの工作好き。数ある作品の中でも、ビジュアルのインパクトがあった「表情練習ロボット」は、コロナ禍でマスク着用が当たり前になった現在、表情の練習をしたいと考えたのがきっかけだったそうです。等身大のロボットの眉と唇の部分にサーボモーターを仕込み、笑ったり怒ったりする表情を作り出しました。特に苦労したのは、「表情を作るメカの部分と、クラフトの部分を組み合わせること」だったそうです。クーピーで色を塗って肌の質感を出し、紙を割いて立体的な髪の毛にするなど、工作点の高さも評価につながりました。

 

審査員のタカラトミー事業統括本部エキスパートの土肥雅浩氏は、「embotの2つのサーボモーターだけで表情を豊かにするのはとても大変なのに、それを実現させ、ロボットを作ることが好きだという熱意を感じた。また、『コロナ禍で表情を失いがちだから、マスクを外して表情を豊かにしよう』と、ロボットにもマスクをして外すというプレゼンでの演出、ストーリーが素晴らしかった」と、神山さんの作品を評しました。

 

受賞後のコメント

「タカラトミー賞をもらえて、うれしかったです。小さい頃から夢だった『動くロボット』をembotで作ることができてよかったです。プレゼンは何とか間違えないで発表できましたが、質問ですごく緊張し過ぎて、顔の中の眉の作りを質問されて、頭の中ではわかっていてもどうやって説明したらいいかわからなくて言えなかったことを後悔しています。来年は、説明をしっかりして、さらにパワーアップしたembotを作り、最優秀賞をとりたいです」

e-Craft賞「ゴミ箱分別ロボット」

清水悠介さん(大阪府、6年生)

副賞:Androidタブレット、e-Craft社で1日開発者体験

清水さんは、2021年度のコンテストでは、今大会最優秀賞の岩野さんとチームを組んでハンドボールをテーマにした作品で入賞を果たしました。今回は、学校で勉強したSDGsをテーマに、embotでゴミの分別方法を教えてくれるロボットに挑戦しました。

ボイスAPIを使い、質問に答えていくと、缶やピン、プラスチックなどを判断し、ゴミの種類に合わせて捨てる場所が自動で切り替わります。「ゴミ箱がまわる部分が難しく、工作もプログラミングも大変だった」という清水さん。数えきれないほど調整を行い、デモでは見事成功させました。「ゴミの種類によって複数あるゴミ箱を、ひとつにまとめられたら……」という発想から生まれたロボットは、シンプルな対話形式でゴミの種類がわかるとして、審査員からも好評でした。


 

審査員長の額田は、e-Craft賞に選出した理由を、「SDGsに貢献している点も素晴らしいが、何よりも、e-Craftのスタッフから、『あのゴミ箱をオフィスで使いたい』という意見が出たことが決め手」だと説明。さらに、「実際にチャットボットでゴミ分別を解決しようという自治体もあるが、一問一答でゴミ箱までつくるというところまでは突き詰められていなかった。そういう意味でも、大人よりすごいことをやっている」と、清水さんを評価しました。

 

受賞後のコメント

「e-Craftの会社に行ってみたかったので、e-Craft賞をもらえて、とてもうれしかったです。チームで参加した去年と違って、今年は一人でやっていたので、動画で話すときにどうしたら伝わりやすいかも考えました。
みんな工作がとてもすごくて、特に神山さんの『表情練習ロボット』は、モーター1つでこんなに表情を作れるのかと思ってびっくりしました。これからも色々なことに挑戦していきたいです。」

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